塗料の調色
色合わせ(調色)は熟練を要し、塗装作業の中で最も困難な作業の一つです。
特に板金の補修塗装などでは調色の良否が仕上がりを左右します。
調色作業では特に「色の混合」、「顔料の色合い」などの知識と経験が大切です。
なお、このサイトは外壁塗装に重点を置いて編集していますので、視感による現場調色を主にしており、測定機器を使用した調色については掲載していません。
塗料原色の選び方
- 原色の構成を知る
比色(色合わせしようとする元の色)しようとする色に、どのような原色が入っているかを知る。
これには経験と感に頼るところが大きい。原色の判断を誤ると、特に彩度の高い色ほど求める色が出にくい。 - 色足を知る
顔料の濃い色(上色)を白色塗料で薄めると、同色でもその顔料によって色相、彩度、明度に違いが出てくる。
これを上色に対して底色(色足)と呼んでいる。淡彩色の調色では、顔料の原色が持つ「色足」を知っておくことが重要になります。 - 顔料の着色力を知る
塗料の一定量でどのくらい着色できるかを塗料の着色力(塗料のきき)といい、調色においては重要な要素です。
黒、紺などは着色力が大きく、少量でも「きき」がよいので少量づつ添加しながら比色する方が失敗が少ない。白や黄色は着色力が小さい。
調色の注意点
塗料の色と乾燥塗膜とでは色が異なる
調色しているときの塗料の色と、実際に塗装して、乾燥したときの塗膜の色は異なります。
色合わせしようとするものが乾燥塗膜の場合は、注意が必要です。
塗膜の乾燥過程で、塗膜内に顔料の比重差による沈降が生じます。
重い顔料の「黄色」は沈降し、薄目(ききが悪い)になり、軽い顔料の「黒、紺」は浮き上がり濃い目(ききが良い)になります。
塗料の隠蔽力
塗装下地を覆い隠す力を塗料の隠蔽力といいます。
隠ぺい力の弱い塗料は、1回塗りでは塗膜が透けて本来の色が出ません。塗り重ねて、実際の色が出てから比色することが大切です。
隠ぺい力の小さなものとしては赤、マルーン、レモン、イエローなど。
つやと色
同じ比率の原色で調色した塗料でも、「つや有り」と「つや消し」では乾燥塗膜に色の差が出ます。
つや消し塗料では塗膜表面にできる微細な凹凸により色の鮮度が落ちるためで、一般的に白っぽい感じになる。
したがって鮮度の高い、深みのある色はつや消しでは得られないことが多い。
調色方法のポイント
調色用の原色は最小限に
調色に使用する原色の数はできるだけ少なくする。
多くの種類の原色を使用すると、濁った色になりやすく、鮮明な色ができにくくなる。
比色の色の構成を判断し、テストしてみてから調色作業に入るようにしたほうが失敗が少ない。経験と学習が必要とされるところです。
きき(効き)の悪い塗料から混入する
多めに混入しないと効果の出ない塗料を「きき(効き)が悪い塗料」という。
つまり色の着色力の強弱のことです。調色においては、ききの悪い塗料から順次投入して「きき」を確認しながら作業を進めたほうが失敗が少ない。
色の着色力
- 着色力の強いものの例 : 黒、紺系
- 着色力の弱いものの例 : 白、黄色系
乾燥塗膜の色の変化
塗料は塗装して乾燥すると色が変わります。それが調色を難しいものにしている原因の一つです。
調合塗料ではより濃色に、つや消し塗料ではやや淡色に仕上がるので、その点を考慮して調色作業を行うことが重要。
テスト塗りを行い、乾燥させてから比色したほうが失敗がない。乾燥による色の変化を見極める、経験と学習が必要なところです。

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