屋根塗装における縁切り工法について

縁切り対策の無いコロニアルの塗り替えは、雨漏りを誘因し、かえって屋根を傷めます。
コロニアル葺き屋根の塗装において、縁切り対策は最重点課題といっても、過言ではありません。
コロニアル屋根塗装に於ける、縁切りの必要性と、タスペーサーを使用した、縁切りについて紹介しています。
縁切り対策の無いコロニアルの塗り替えは、雨漏りを誘因し、かえって屋根を傷めます。
コロニアル葺き屋根の塗装において、縁切り対策は最重点課題といっても、過言ではありません。
コロニアル屋根塗装に於ける、縁切りの必要性と、タスペーサーを使用した、縁切りについて紹介しています。
コロニアル葺き屋根は
1. 野地板(合板)
2. ルーフィング ( 防水シート )
3. コロニアル
の順番で、単純な重ね張りで葺いてあります。
横の合わせ目から浸入した雨水は、コロニアルの小口部の隙間から排出される構造になっています。
しかし、実際には小口部の隙間が小さいため、浸入した雨水はその表面張力よって、排出されにくい。
結果的には、長期に渡って湿気がこもることになります。
毛細管現象により、コロニアルの固定用釘穴より上まで、雨水は浸入します。
浸入する雨水の量と、排出される量とのバランスが崩れたときには、雨漏りに繋がる危険があります。
野地板 ( 屋根の下地材 ) は湿気に弱い合板を使用しています。
屋根の塗り替えによって塗料がコロニアルの小口部を塗り固めてしまいますと、浸入した雨水は排出されずに内部に溜まってしまいます。
結果として、雨漏りとなって野地板の腐朽を招くことになり、長期的には構造材の腐朽につながってしまいます。
そこで重要視されたのが、「縁切り」という作業です。
縁切りの方法 | 特徴と問題点 |
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カッターナイフで、縦の合わせ目の塗膜に、切込みを入れる。 | 内部に入り込んだ塗料は、なかなか乾かず、またすぐ接着してしまったり、せっかく塗装した塗膜を傷めたり、といった問題が発生します。 |
皮すき等を使用して塗膜を剥がす。 | |
スペーサーを使用して、あらかじめスペースを造ってから塗装する。 | 専用部材を使用するため、その分コストがかかる。 |
スペーサーとして既成部材のタスペーサー ( セイム社 ) を使用した縁切りの例
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タスペーサー ( 03型 ) と挿入工具 |
コロニアルの両端に挿入 |
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タスペーサーを使用した屋根の塗り替え例 |
縦の重なり目の縁が切れて、横の合わせ目からの雨水の排水スペースが、しっかりと確保されているのが確認できます。
タスペーサーを使用した縁切りでは、2~3mmのスペースが作れます。
タスペーサーのスペース効果についての詳細は、「タスペーサーによる縁切りのスペース」のページを参照。
「塗装した後、タスペーサーはどうするのか?」というご質問を受けることがよくありますが、タスペーサーは塗装後、設置したままにします。
タスペーサーは、本体に滑り止めが付いており、また塗装することで塗料が接着剤の役割りもします。
材質はポリカーボネートですので、強度的にも問題はありません。