FRP防水のメンテナンスや改修工事

住宅の造り付けベランダやバルコニーの防水にはFRP ( 繊維強化プラスチック ) が多用されていま
す。
そのFRP防水も経年により色々な症状が現れてきます。
このページではFRP防水のトップコートの塗り替えなど、その症状に対処したメンテナンスや改修工事について
紹介しています。
住宅の造り付けベランダやバルコニーの防水にはFRP ( 繊維強化プラスチック ) が多用されていま
す。
そのFRP防水も経年により色々な症状が現れてきます。
このページではFRP防水のトップコートの塗り替えなど、その症状に対処したメンテナンスや改修工事について
紹介しています。
住宅のベランダやバルコニーには
「後付け」と
「造り付け」タイブがあります。
住宅の洋風化と共に、現在では後者の「造り付けタイプ」が主流になっています。
造り付けタイプの場合、その防水性能が雨漏りに結びつきやすいので防水工事が非常に重要になってきます。
造り付けタイプには、施工性、強度、防水性能などで優れたFRP防水が多用されています。
しかし、住宅へのFRP防水の歴史は短く、施工の技能が確立されて「技能検定」が実施されたのは2001年のことです。
2008年に日本建築学会の建築工事標準仕様書・同解説のJASS8防水工事に採用されたばかりです。
一般的にガラスマット層を二回積層する2ply ( プライ ) 仕様で行われることが多い。
施工技術の確立されていなかった初期の施工では、色々と問題の多いのも特徴です。
最近、特にトップコートの「剥がれ」、「浮き」の問題に対するご相談が増えています。
症状 | 原因 | メンテナンス |
---|---|---|
トップコートの剥がれ | 歩行等による磨耗 | トップコートの塗り替え |
層間の接着不良 ( 亀裂が入る ) | 研磨後、トップコートの塗り替え | |
防水層の浮き | 下地材との接着不良 | 部分的な狭い範囲の場合は、研磨後、防水層を部分的に補修施工 |
下地材そのものの剥がれ ( 合板下地にみられる ) |
全体的に広い範囲で浮いている場合、下地を造り直してから再度、防水をやり直す | |
防水層のひび割れ | 比較的小さなひび割れ | 入隅など部分的な場合は補修施工 |
大きなひび割れ | 下地を造り直してから再度、防水をやり直す |
トップコートにはポリエステル系とアクリルウレタン系のものが使用されます。
その種類によって塗装工程が異なります。
接着不良により、部分的に防水層が下地材から浮いている場合があります。
このような場合にも簡単に補修できるのもFRP防水の特徴です。
FRP防水のトップコートとして用いられているものにはポリエステル系とウレタン系があります。
また平滑仕上げと骨材を配合して表面をざらつかせた防滑仕上げがあります。
塗料 | 作業性 | 特徴 |
---|---|---|
ポリエステル系 | 付着力を高めるために研磨が必要。 | 下地への追従性が低い。遮熱タイプもある。 |
アクリルウレタン系 | 専用プライマーを使用することで、研磨作業は省ける。 溶剤拭きが必要。 |
弾性で下地への追従性が高い。遮熱タイプもある。 |
※ アクリルウレタン系のトップコート塗り替えは素地調整として、溶剤拭きにより既存の表面の蝋成分を除去することが不可欠です。